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コンテックの魅力は大きくて深くて複雑なところにある話
みなさんこんにちは!しほりんです🍎
シェルフィー株式会社にジョインしてから、早いもので7年が経とうとしています。
そんな私が「コンテック(Construction Tech)の魅力」を一つお届けしたいと思います。
この魅力が、この業界に私を7年も留めている理由のひとつです。
先に結論をお話すると、「建設業界には今ITの力が間違いなく必要、かつそのインパクトが大きいと感じられること」です。(7年いても、正直入社時と変わらずに感じています。)
ITが与えるインパクトの大きさは、 で表すことができそうだと思っています。そして、その項目ひとつひとつが非常に大きく、 であるということが大きなポイントです。
それぞれの項目ごとにフォーカスしてお話していきます!
市場の大きさ
今回は市場の大きさについて、下記要素で見ていきたいと思います。
- 市場規模
- 労働人口
- 企業数
市場規模
建設業界の売上規模による市場規模は約16兆円です。
ただ、建設業界の場合は建設投資額で市場規模が語られることが多く、2021年度の建設投資額の見通しは(0.6%増)でした。
これは業界動向サーチ調べのランキングと照らし合わせると、卸売、電気機器業界に次ぎ、第3位の規模です。
ちなみに、建設業界において時価総額・売上高ともに第1位を誇るのはでした。日本企業の中だと31番目です。
労働人口
建設業界に従事する人の数はです。
日本国内の労働人口はなので、 が建設業に従事していると言えます。
業界分類法が先の業界動向サーチと違いますが、人口についても国内市場でいくと4番目に多い業界です。
企業数
建設業を営んでいる企業数は社です。
日本国内の企業数は社で、全体のにあたります。宿泊業と並んで同律2位です。
ということで、それぞれの業界別ランキングを票にしてみました!
どこかがすごく尖って大きいわけではありませんが、全体的に面が広い業界であるということがお分かりいただけると思います。
これは表にしてみて気づいたことですが、労働人口が4位なのに企業数が2位ということは、中小企業が本当に多いってことですね🤔
課題の深さ
建設業界の課題は、人手不足であり、今後人手不足が加速することです。
建設業界は就業人口数の多さから日本の少子高齢化の煽りを一番に受けている業界です。
更に「3K」のイメージも根強い上に残業時間数も他業界に比べて非常に高く、若い人を呼び込めていません。
「働き方改革法」の猶予期間がもうすぐ終わるものの、労働力不足が解消されていないことから現在「2024年問題」として業界を賑わせています。
このままでは単に業界が縮小するだけではなく、地震大国である日本のインフラ整備が追いつかなくなってしまいます。
2024年問題とは
2019年に政府は「働き方改革関連方」を制定しました。
これは「働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、
自分で「選択」できるようにするための改革です。
ただし、建設業界は業界慣習等の理由から労働時間の上限規制には5年間の猶予が与えられることとなりました。
その期限である2024年が迫ってきているものの、改善にはなかなかたどり着けていないことから近年取り上げられているトピックです。
- 適正な競争環境の創設
- 建設企業の経営力向上への取り組み
- 労働環境の改善、賃金の適正化
- 外国人建設労働者の受入
- 女性活用の促進
- 新しいITの活用を促進する取り組み(i-Construction委員会の創設など)
一方でこれまでの成果を見てみると、外国人建設労働者の受入や女性の受入といった実数増やしても未だ全体量としては足りず、ドローンやBIMといったテクノロジーの活用が急がれます。
最近では資材の高騰も建設業界を打撃しており、人件費削減の動きはより一層加速せざるを得ません。
実際に資材高騰による措置として、施工体系図が必要な総工費も4000万円 → 4500万円まで引き上げられました。
業界の複雑性
それなら、なぜここまで課題が明確であるにも関わらず、テクノロジーの力が普及していないのか。それは、建設業界が類まれなる複雑性を有していることが影響しています。
ヒト・モノ・カネ・情報の影響範囲が非常に広く、それは普段生活している私達からすると想像もできないほどです。
ヒト
建設は絶対に一人ではできません。平均して1現場に数千人が関わると言われています。
よく建設業界は「多重構造」であると言われますが、それぞれが役割を持っており必要な構造であると言えます。現場一つが一つの企業体を成しているようなイメージを持っていただけるとわかりやすいです。
一方で一つの企業体のような構造と動きをしているにも関わらず、実際には違う企業から派遣されているという状況が非常に複雑に見える要因です。それぞれには背景に会社としてのミッションがあります。
みなさんが今推し進めているプロジェクトには1000人が関わっていると想像してみてみると、その大変さを少し体験していただけるかもしれません。
モノ
建設はコンクリートから金属、そして壁紙、もしくは木材と一つのプロジェクトにも非常に幅広い材料を必要とします。
カネ
通常私達一般消費者は、商品を受け取る前に料金をお支払いするか、出来上がった商品と引換に料金をお支払いするかのどちらかが多いです。
一方で建設業界の場合は、最低でもが工事期間として必要、かつ金額(総工費)が非常に大きいことから、分割で工事費を支払うケースが多いです。
着手時、中間、竣工時など、工事の進捗に応じて分割で支払うが今では一般的です。
元請企業から協力会社に支払う場合には守らなければならない法律もあります。
いずれにしても、発注側も受注側もキャッシュフローに大きな影響があるため、契約時において非常に大切なポイントです。
そして会計処理も非常に複雑で、建設業界特有の会計資格があります。(弊社の会計担当はこの資格を有しています◎)
情報
これだけのヒトとモノとカネが関わっているのだから、現場に必要な情報も必要そうだと感じていただけるかもしれません。
しかし私達が思っている以上に、建設業界は法律によって個人情報を非常にたくさん扱わなければなりません。なぜなら、建設業界は他業界に比べて大変事故率が高い業界だからです。
万が一の事態に備えて、血液型や緊急連絡先まで保管し、管理しておく必要があります。
詳しく気になった方はこちらをご覧ください!
つまり、今の建設業界は「人手不足は周知の事実で、あらゆる手段を使って生産性や効率性を上げているものの十分ではなく、特に情報の分野においては様々な要素による高い複雑性から上手く解決しきれていない」ということが言えます。
つまり、建設業界が今ITに求めているのは「複雑性を攻略し、効率性を鬼速で上げてくれること」でもあります。
そして本来ITは情報の複雑性や非対称性をシンプルにし、効率化を図ることが得意な分野なはずです。
実際に、日々お客様からのお声をいただくと、お互いに工夫をしながら段々と良くなっている実感が得られます。
これはシンプルに業界が抱える課題の性質と業界の大きさ、そしてITの得意分野が最大限重なっている分野だからこそだと思います。
そしてGreenfile.workは、令和4年度インフラDX大賞のi-Construction推進コンソーシアム会員の取組部門において「スタートアップ奨励賞」を頂きました。
引き続き建設業界の皆様のご期待にお応えできるよう全力で頑張りたいと思います!
さて、今回はコンテックに求められていることやわたしたちシェルフィーが考えるコンテックの意義の一端をお話いたしました。
建設業界はまだまだ深い業界です。できるだけわかりやすくお話するよう努めていますが、なかなかこの複雑性からかいつまんでお話するのも難しかったです。
ぜひ少しでもご興味をお持ちいただけた方は話を聞きに来てくださったり、TwitterのDM等でご連絡をいただけると嬉しいです!
シェルフィーでは今後も積極的に採用を行っていきます〜!
「とりあえず話してみるか〜」と思っていただけた方はぜひ下記リンクからご連絡ください◎