建設業界におけるITツール活用課題


建設業界におけるSaaSの伸びしろは特に大きく、それらの浸透を加速させるためにはいくつかの問題が顕在化していると考えます。

マクロな問題点

  1. 建設SaaSが乱立し営業重視の傾向が強い
  1. 建設SaaS企業それぞれでデータが閉ざされている
  1. 独自の法律や専門性が高く、一般的なSaaSを使えない
 

建設SaaSが乱立し営業重視の傾向が強い

👉 自社の規模や工種に合ったITツールを適切に選べない
建設業界には様々な工種があり、それぞれ施工管理に求める仕様が変わります。 また工事規模も数百万〜数百億円までの幅があり、規模毎に求めるサービスの品質と値段感にバラツキが伺えます。
現在はそういった建設業界の数多の工種やシチュエーションに合致したサービスが確立されないままに乱立しており、建設SaaSは群雄割拠の時代と言えます。
特に建設業界の性質上、業界構造のトップ企業であるゼネコンが利用しているツールを協力会社へも利用を求めるケースが多く、サービス提供者側もいかにそこへ導入してもらうかに全力を尽くすため、営業重視の傾向が強いです。

②建設SaaS企業それぞれでデータが閉ざされている

👉 データを一元管理できず経営の改善に活かしにくい
上位の会社から業務を請け負う協力会社は、①の事情もありゼネコンごとに利用ツールが違うといったことも珍しくなく、取引先や労務情報などのデータの預け先が定まらず経営改善に活かせません。 これはサービス毎に蓄積したデータを基本的にエクスポートすることが難しく、蓄積や分析が行いづらいといった事情があります。
リソース不足な建設業界にとって、データを一元管理できない現状は致命的といえます。

独自の法律や専門性が高く、一般的なSaaSを使えない

👉 学習コストや教育コストが高い
①、②を踏まえると、協力会社や職人は新しいITツールに出会うたびに使い方を学ぶ必要があります。また、元請企業にとっても社内でのオンボーディングコストが上がり、双方にとって非効率な状況です。
 

ミクロな問題点

①ツール提供企業からのサポートが不十分

👉 契約後のアフターケアが薄い企業が多く、結果として現場の改善が遅れる
営業によるツール導入の契約締結後、ゼネコンが運用フェーズに入ってもサポートを手厚く行う提供企業は少なく、ゼネコンも運用フェーズを乗り越えられないため現場の改善が遅れることは少なくありません。
マニュアルが更新されておらず古かったり、サポート体制が万全ではないため問い合わせしても返答が遅い・無いといったことも多く見受けられ、ゼネコンの推進担当者に負担のしわ寄せが来るケースが目立ちます。

②ツールの社内推進担当者の負担が大きい/不在

👉 担当者は現場と本部の板挟みになり、根回しや合意を取りに行くハードルが高い
ゼネコンへツールを導入することは、すなわち大企業にITツールを新規導入することと等しいです。
担当者は自分の営業所内で推進を成功させることを考えますが、ツール導入のGOサインを出した役職者はまずはミニマムに初めつつも、最終的なゴールは営業所を跨いだ全社への導入です。 そのためには推進担当に檄を飛ばし、ツールの導入が正解であったことの成果を求めます。
推進担当者はツールを導入してもらう現場側との折衝と、上司や会社=本部からのプレッシャーの板挟みになり、負担が膨れるといったことも珍しくありません。

社内で教育・指導が行き届かない

👉 ツールを導入しても社内レクチャーをやれる人やそのノウハウがある人が不在
 

他社のノウハウを取り入れづらい

👉 他所の先駆者の事例を取り入れる機会が少なく自社でイチから積み上げがち
 

 
 
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シェルフィーは、Greenfile.workを展開するにあたってこれら課題感の解決への糸口や施策を日々練っては取り組んでいます。ご興味ある点があればご面談の機会でお伝え出来たらと思いますので、ぜひカジュアル面談からお気軽にお話いたしましょう!