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組織に馴染んだ「社内部活動」文化が、コミュニーケーションの抵抗を減らすと感じた話
皆さんは「部活動」を体験したことはあるでしょうか。
弊社では社内交流の一環として、部活動文化が根付きつつあります。
自分もいくつかの部に所属してるのですが、シェルフィーの部活動文化は独特の良さがあり、自分が初めて部に参加してから現在まで4年ほど経ったこともあり、紹介も兼ねて振り返ってみようと思います。
シェルフィーでの「部活動」は同好会
シェルフィーでは様々な部が発足していますが、自分の記憶では「にわかサッカー部」がこの文化醸成の足がかりとなっていた記憶があります。2018年6月にFIFAワールドカップがあり、それを代表のロイがメンバーへ一緒に見ようぜ、と有志を募ったのが始まりでした。
いまでも「にわか部」は脈々と続いており、2019年10月のラグビーワールドカップではにわかラグビー部、2022年の冬季五輪ではにわかカーリング部として、カーリング女子の試合をオフィスの大画面で見守っていました。
(ちなみに、このとき銀メダルに輝いたロコ・ソラーレは、自分の地元である北海道北見市のチームです😊)
ここでいう「にわか部」は、にわか知識でも楽しもうよという意図が込められており、ルールを詳しく知らなくてもライブ放映を一緒に観戦して盛り上がろうということを主旨にしています。自分はラグビーもカーリングもなんとなくしかルールを知りませんが、観戦中はどちらもエキサイティングしていました。大勢で一緒に見るとやはり楽しみ方も変わってくるのが良いところです。
さて、ここまで「部活動」をオフィシャルな社内行事のように書いてはいますが、実態としてはただの有志の集まりであり、かたちとしては「同好会」に近いと言えます。
目標があるわけでもなく、同僚同士で趣味や興味のある分野で共通項があれば、半ば勝手に集まり実施しているだけの会です。会社としては場(オフィス)とお酒(会社の冷蔵庫に余っているもの)を提供してくれていますが、部費の補助などはありません。つまみがなければピザなどを割り勘で買い足します。この就業後の集まりを勝手に「部活動」と呼び、交流の場として定着しているのが現在です。
シェルフィーは現在50名程度の組織規模ですが、これが100人や200人を越えてくると、きっと会社側としても部費の支給を伴う部活動などを推奨することもあると思います。流石に3桁の規模ともなると、全員の顔や名前を覚えるのは難しく、部署を越えた横の交流が難しくなるので、組織力の面からも会社はきっと何かしらの施策を打つことも多いことでしょう。
会社での飲み会の機会が薄れていく中で、部活動というほどよいカジュアルさで、とくに強制力も感じずメンバー同士の交流を深められるアクティビティは、我々20〜30代に増えているだろう仕事とプライベートのメリハリをつける層と親和性がなかなか高いのではないかなと思います。
シェルフィーでの部活動を紹介させてくれ
ではシェルフィーではどんな部活動をしているのかというと、例えば自分が所属(?)しているのは以下の部です。
- 遊戯王部
- ゲーム部(※Splatoon部やモンハン部、Apex部などに派生します)
- ポーカー部
- カラオケ部
遊戯王部はシェルフィーに入社後、古の記憶と意欲を掻き立てられ復帰しました(灰流うららも増殖するGも復帰するまで知りませんでした)
ゲーム部は主にSwitchのゲームを中心に、オフィスで複数人とスマブラやSplatoonなどをプレイします。「オフィスに集まる」というのがミソで、オンラインでも遊べるのが当たり前になった今、あえて物理的に集まるというフィジカルな体験を大切にしています。9月9日のSplatoon3発売が待ち遠しくてたまりません。
ポーカー部は最近できた部のひとつですが、個人的にいま最もアツく、参加メンバーも一番多いだろう部です。ロイが学生時代のポーカーセットを持っており、すぐにプレイ環境が用意できたことや、遊ぶうちに何名かがどハマりし、刺激を受けたメンバーが増えています。現在では、社内ポーカーに参加経験のあるメンバーは20名を突破しました。当たり前ですが賭け事の類はせず、その代わりに最終的な勝敗(チップ数)をスコア化し、誰が社内で一番スコアが高いかの競争をしています。
頭脳戦の要素が大きいこともあってかポーカー部にはエンジニアが多いです。また、シェルフィーを卒業したメンバーが、ポーカーを一緒にやるためにオフィスを訪れてくれることも珍しくなく、最近は社外の人も巻き込んでお店のテーブルを貸し切ってポーカーで交流するということもやりました。
ちなみに、ポーカーにハマりすぎて部員が金曜夜から土曜の朝まで遊ぶことが何度か続いた様子を見たロイは、「社内で麻雀を流行らせたら絶対に仕事に支障が出る」という危機感に煽られ、いまでも麻雀部は発足していません。
社内には他にもK-POP部やサウナ部、バチェラー部、ボドゲ部やポケカ部、園芸部などがあります。シーズンによっては登山部やキャンプ部などアウトドアな部活動も行われています。
部活文化の定着で生まれたサプライズ
この文化が定着してポジティブに思えたことがあります。ひとつは、コミュニケーションが所属部門の垣根を越えることが当たり前になったことです。
特に印象的なこととしては、遊戯王部に所属している当時の新入社員のメンバーが「遊戯王をやっててロイさんと喋れるようになった」と言っていたことでした。ロイはゲーム系の部に大体参加しているのですが、 もともと遊戯王部はロイが立ち上げ自身も所属する部のひとつです。つまり我々は社長にも決闘(デュエル)を挑めるわけですが、その場合は無礼講で臨むのが礼儀であり、遠慮なしに社長をけちょんけちょんにできる場でもあります(自分は今のところ1勝8敗くらい。ロイのシャドールデッキが強いんです......)
とはいえ、入社して間もないメンバーはどうしたって代表や役員メンバーとはコミュニケーション上の心理障壁が生まれます。何を話したって少なからず緊張するのは当たり前ですよね。
彼は、遊戯王でカジュアルに遊ぶことを通じて、普段感じざるを得ないヒエラルキーの壁を破ることができたのだと思います。今では躊躇なくロイのカード効果発動を無効化できており、その裏付けがされているように思えます。
自分自身もそうです。自分は比較的喋れるタイプな自覚はありますが、一方で話題をいちから作り出すことは得意ではないため、たとえば部署の違う方との全くのゼロスタートなコミュニケーションはハードルが高いのが悩みです。
個人的な経験則として、仕事だけで同僚たちと仲を深めるのは結構むずかしいことだなと感じています。自分はキャリアの系譜的に同族(※オタク)が多い職場だったこともありますが、仲良くなって今でも関係の続いてる社会人の繋がりは、プライベートでもなにか共通の活動を通じて仲を深めた方が大多数です。
やはり一緒に働く仕事仲間の人となりは知っておいて損はないでしょう。仕事からすこし距離を置いたところにある共通点を知っておくことで、互いの関係性の緊張感がほぐれ、結果として仕事上でのコミュニケーションにも柔らかさが生まれると思うのです。
自分の場合を例に上げると、直近は採用に関わっているため部署を越境して普段どういった業務をしているかや組織課題を尋ねることがあります。時にはイチから順に知っていくための質問を投げかけることもあったりしますが、こういった「現状理解のための漠然とした質問」のハードルが低くなり、不必要な緊張感が減ったのは仕事のスピードにも貢献するなと感じました。
もちろん、仕事を通じて研鑽し友人や良きライバルのような関係を構築できるならそれもベストな手です。でも、「一緒に仕事する」よりも「一緒の共通点を見つける」ほうが仲を深められる機会に恵まれていると思うので、人脈を広げたり人生を豊かにする意味でも得が多いと思っています。
この手の話題として「飲み会」がよく引き合いに出されると思いますが、飲み仲間という共通項を持っているならそれをきっかけとするのもアリですよね。会社や周囲からそういった場での交流を強制されてしまうのが問題なので、お酒好きというのは重要なパーソナリティーのひとつです。
仕事の根っこはコミュニケーション。では、コミュニケーションを上手く取るには
業務において、コミュニケーションは言うまでもなく重要です。
その役割は情報伝達から行動の促進、人間関係の構築など多岐にわたるでしょう。テキストチャットからビデオチャット、そして一足飛びにメタバースがバズワードとなり、コミュニケーションの場がオンラインへゆるやかに、しかしダイナミックに移りゆく現代でも、これらの重要性はさほど変わりません。
ですが、コミュニケーション相手の「感触を得る」機会が減りつつあるいま、一層のこと人との仲を深める術はハードさを増してるようにも伺えます。「仕事なんだから会社の人とは仕事の話さえできればいい」というタイプの人も当然いるでしょう。そういった方を無理にこちら側へと招き寄せることはしないでも良いと思います。
ただ、その人をかたちづくる輪郭が見えてこないと、どういった温度感やスタンスでコミュニケーションに臨めば良いか掴めないものだと思います。少なからず、自分はそういった感覚があります。会話の度にそういった目では測れない距離をジリジリ縮めていくのでは、会話だけで疲弊してしまうこともあります。
仕事ではその人と必要な会話ができるかが肝ですが、相手の人となりを知っていることで会話の潤滑油が注がれ、お互いの共通点を知っていることがその人の輪郭を紐解くヒントにつながると思います。
余談ですが、最近珍しく全くの初対面の人と会話する機会があったのですが、お互い30代前半という情報を掴み「リアルタイムでおジャ魔女どれみや明日のナージャを見ていた世代ですか?」と訪ねたら意気投合し、コミュニケーションが上手くいった事例がありました。仕事ではないですが、こんな温度感で上手く行けば、個人的には次回も心理ハードル低く接せられるので助かりますね。
終わりに
今回紹介した部活動文化は、お互いの関係値はウェットであるほうが良い組織につながるよね、といった共通認識があるから成り立っている文化であると思います。
おっと、シェルフィーのメンバー全員が必ずしもそう思っているわけではないかもしれません。周囲との関係性をどう保つかは、本人の判断に委ね懐が広い方が、スケールする組織へきっとつながると思います。コミュニケーションを円滑にする手段はひとつではありませんし、人によって上手くいく角度も違うでしょう。
ですが、シェルフィーでの「部活動」と称した集いは、今ではメンバーの家族やパートナーまで参加することもあるほど、きっと呼ぶことに抵抗感の無い雰囲気を作れているようです。会社を卒業したメンバーが遊びに来てくれることもまた(会社としても)嬉しいことであり、「制度」ではない場だから実現してるのかもしれません。仕組み化されていないからこそ、小さな文化圏を各々自由に築いていくのが楽しいのだろうなあと感じています。
見方によっては究極の身内ノリかもしれませんが、自然とこういった文化が醸成されていく環境も素敵だなと思うのです。